JNCC第4戦ジョニエルG爺ヶ岳レポート「小池田にスキなし! 広大なウッズでライン取りが勝敗を決めた」

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JNCCも全9戦のうち第4戦、中盤戦へと突入するジョニエルGを迎えた。

広島、鈴蘭に続き、またもや会場は土曜日に雨に見舞われた。お昼から夜まで降り続いた雨に、レース当日のコンディションが心配された。しかし日曜日は朝から快晴。爺ヶ岳のゲレンデは見事に乾き、ウッズに少し雨の影響が残る程度で、稀に見るベストコンディションのレースとなった。
爺ヶ岳といえば名セクション、ガレクライムをはじめ、何本も走るロックンロールリバーと呼ばれるガレ場を擁し、ガレの走破性が勝敗を分けるイメージが強いが、今大会では広大なウッズセクションでのライン取りが大勢を決したようだ。
JNCCを代表する人気コースの会場には、コースレイアウターを務めたレジェンド、石井正美も今季初参戦し、490台のエントラントが集まった。

キッズ&トライ

広島、鈴蘭と、朝一番のレースだったキッズ&トライはまだ乾いていないゲレンデの路面に苦しめられ、さながらハードエンデューロのような光景が繰り広げられていた。あわやこの爺ヶ岳もそうなるかと思われたが、一夜明けてみれば路面は完全に乾いており、爽やかなゲレンデを堪能することができた。
優勝したのは今大会で5連続総合優勝となる13歳の廣田優大。

「応援ありがとうございました。難所はそんなになかったんですけど、ゲレンデの逆バンクが難しくて転んでしまいました。勝てるかわからなかったのですが、勝ててよかったです。あと、ジャンキーさんにも勝てたのでよかったです」

鈴蘭大会から始まった企画、「ジャンキー稲垣を打ち負かせ!」では、キッズ&トライにてジャンキー稲垣よりも前でゴールしたKTMライダーに、KTMジャパンから粗品が贈られる。今回は廣田を含む2名が対象となった。

FUN-GP

FUN-GPの見所はFUNガレクライムの下りと、広大なウッズセクションだった。特にウッズでは前日の雨の影響が少し残り、周回を重ねるごとに路面は悪化。ライン選びが勝負の行方を大きく左右した。
そんな中、FUNの総合優勝を勝ち取ったのは、FUN-Bクラスにエントリーしていた渡邉誉だった。
「皆さんお疲れさまでした。オメガオイルさん、MRPさんのサポートのおかげで勝つことが出来ました。いつもありがとうございます。今朝到着してコースを歩いたんですが、FUNウッズだけはなぜか見なかったんです。そしたら2周目で迷子になってしまって。でも、3周目に走ったラインがすごく良くて、その後はミスも少なく走ることが出来ました。特別昇格で次回からはCOMP-Aで走ろうと思いますので、皆さん応援お願いします」
そして最後の最後まで渡邉と競り合い、FUN-Aクラスで優勝したのは今季2勝目となる櫻井隆仁だった。
「みなさんお疲れ様でした。最後、渡邉くんに抜かれた時は周回遅れだと思ってたんですけど、彼がすごく必死に逃げてるので、ヤバイ!と思って焦って追いかけたけど、抜き返せませんでした。モトクロスIBの人には早くCOMPに行ってもらいたいですね(笑)」
一番台数が多く、激戦のFUN-CクラスはなんとJNCC初参戦という加藤浩介が優勝を果たした。
「初めてのJNCCで、昨日の雨がだいぶ乾いてきたので、今朝慌ててフロントタイヤをミディアムにしたらスタートしてすぐに転んでしまいました。結果的に勝てたので良かったです。また頑張りますので、よろしくお願いします」
そしてFUN-Dの優勝も初参加という細谷忠司。
「初参加なんですけど、たまたまいい成績を取ることができました。スタッフのみなさん、ありがとうございました。また次回もチャレンジしたいと思います」

そして注目のFUN-WAクラス。今シーズンは女王、菅原悠花が第2戦広島を怪我で欠場。西翔子も第1戦以来エントリーがなく、ランキングトップは石本麻衣。石本は鈴蘭に続き、ここ爺ヶ岳でも見事、優勝を手にした。
「応援してくださったみなさん、ありがとうございました。ウッズでもたついちゃったんですけど、みなさんの応援のおかげで走りきることができました。次もここに立てるように頑張ります。応援よろしくお願いします」
FUN-WBはメキメキと力をつけてきている関山海生子が鈴蘭に続いて連勝。
「みなさんお疲れ様でした。ゲレンデもウッズもガレも楽しく走ることができました。関わってくれるいろんな人に感謝しながら、これからもレースに取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました」
FUN-WDは松永望が優勝。
「お疲れ様でした。最後、エンジンかからなくなってしまって、チェッカーも受けられていないのですが、この場に立つことができて光栄です。ありがとうございました」

COMP-GP

COMP-GPは今季マシンの排気量を落として挑んでいる小池田猛が、その底力を見せつけ3連勝という経過。ヤマハの渡辺学は毎戦、小池田を後ろから追い上げて苦しませるし、鈴木健二は2ヶ月後に迫ったISDE出場に向け体力作りを本格化しており、徐々にその効果が現れてきている。また、KTMの斉木達也はニューマシンのセッティングさえ決まればすぐにでも昨年のスピードを取り戻し、トップを奪いに来るだろう。
この爺ヶ岳でもスタートで飛び出したのは好調の石戸谷蓮。そして1〜3周目あたりまでは小池田、渡辺が激しいデッドヒートを繰り広げ、観客を沸かした。小池田はトップを走るも序盤にサスペンションのトラブルを抱えてしまい、ペースダウン。それでも後ろを走る渡辺に悟られまいと距離を図りつつ走り、作戦勝ちといった程で今季4勝目をマーク。
続いて渡辺学が小池田から1分30秒ほど遅れて2位。中盤で斉木をパスした鈴木健二が3位に入った。

小池田猛
「ありがとうございます。今回スタートで出られなかったんですけど、落ち着いて走りました。バイクもすごく調子よくて、ここは登りがけっこう多いコースで、250だとちょっとパワーが足りない感じはあるんですけど、エルフのレースガスのパワーのおかげで気持ちよく走れ、勝つことができました。応援してくれたみなさん、どうもありがとうございました」

渡辺学
「みなさんお疲れ様でした。小池田選手と一緒にレースが楽しくなればいいなって思って、頑張ろうと思ったんですけど、ペースが早くなりすぎて転倒したり大変でした。なんとか怪我なく無事に走りきることができて良かったです。コースサイドで応援してくれた他のライダーの方々、どうもありがとうございました」

鈴木健二
「お疲れ様でした。コースがわからなすぎましたね。小池田選手と渡辺選手が先に行って、あっという間に見えなくなって、一人でツーリング的な感じで走ってて、いまいち面白いレースができなかったんで、また次に向けて頑張ります。応援ありがとうございました」

COMP-AA2クラスは渡會修也と松尾英之がそろって怪我で欠場。優勝したのはベテランの渋谷清幸だった。
「お疲れ様でした。今回は出走台数2台なので、完走目指して頑張りました。途中、自分の位置を確認しながらなんとか勝てそうだと走っていたんですけど、何度転んだことか。次回も気持ちよく走れるように頑張りたいと思います。ありがとうござました」

COMP-AクラスではJECにも出場し、順当にエンデューロの経験を積んできているモトクロスIAライダーの中島敬則が優勝。
「お疲れ様でした。前回の鈴蘭で完全に心が折れて、今回出るか悩んでたくらいなんですけど、勝てて良かったです。いろんな方が応援してくれて手伝ってくれて本当に助かっています。ありがとうございます」
そしてCOMP-B優勝はチーム全体で好調のMOTOCOWBELL、鈴木勝博。
「お疲れ様です。スタート出遅れたんですけど、途中で親方のジョニー佐藤に追いつけて、いけるんじゃないかって思ったら、いい結果で楽しかったです」
COMP-Rでは大出和弘という結果になった。
「ここは初めて走らせてもらうんですけど、天気もよくて、気持ちよく走ることができました。また今年もう一回あるので、もっと早く走れるように頑張ります。ありがとうございました」

Written by ANIMALHOUSE