JNCC Rd.1 グリーンバレー森羅、斉木達也がデビューウィン、歴史を変える1戦

いくつものトピックが事前に紹介され、例年をはるかに上回る期待を背負って開幕となったJNCC。

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まず、トップクラスの布陣が一斉に変わることになった引き金は、やはり小池田猛の凱旋に他ならないだろう。実力でいえばぬきんでいていると思われる下馬評のなか、KTMジャパンレーシングからの参戦でマシンは350EXC-F、開幕までにしっかり合わせこんでセットアップしてきた抜かりの体制は、鬼に金棒といったところ。

これに呼応するかのごとく、鈴木健二はYZ125にマシンをスイッチしてAA2へカテゴリーチェンジ。AA1において、チャンピオン渡辺学や小池田などの役者がそろった今、鈴木は違った角度から盛り上げていきたいという意向を発表している。さすがに4ストマシンに比べればパワーの絶対的な部分においてひけをとるYZ125だが、もちろん手を抜くつもりではなくいつでも総合のトップを脅かすつもりでゼッケン11をつけている。

これら予想のつきやすいメンバーに加えて、台風の目となるのが斉木達也だ。昨年はAAクラスを食い荒らすAクラスとして活躍。ただし、プライベートの体制ではマシンがついてこないこともあり、苦汁をなめたラウンドも多かったのも事実。今季はAAに特別昇格となり、さらにKTM XPK レーシングからの参戦となった。通例では、こういったクロスカントリーレースではエンデュランサーであるEXCを駆ることが多いが、斉木はモトクロッサーのSXをチョイス。チームとしてもメーカーの「エンデュランサー拡販」をある意味無視をした思い切ったセレクトで、斉木のライディングスタイルに100%応える対応ぶりを見せている。KTM XPK レーシングとしての斉木への期待感は相当なものだ。

昨年AA2チャンピオンを獲得した石戸谷蓮は満を持してAA1へ。450EXC、250EXCと2/4ストを使い分けてJNCCにチャレンジするとのこと。加えて、Betaから小林雅人がKTM XPK レーシングへ移籍。Aクラス01ゼッケンは、同じくKTM XPK レーシングへ移籍した林友太。こちらもこれまでのプライベートの体制から、450EXCを駆り強力なKTMのバックアップを受ける。

ヤマハ勢では、昨年ランキング5位までアップした内山裕太郎が主力マシンYZ450FXを託される形。チャンピオン渡辺学は、昨シーズンと変わらず自らのTwister Racingを率い、エレクトリカルチューンをはじめとした、まるでスタンダードとは別物と言われるYZ250FXを引き続きライド。また、Honda勢では昨シーズン休場の目立った小林雅裕は今季プライベーターとしてのJNCCチャレンジとなる。

FUN GPは、霜もだいぶ溶け、ある程度走りやすくなった路面でスタート。COMP GPにクラスチェンジしたFAチャンピオン岩井良宏を欠く開幕は、伊藤史朗の優勝で幕開けとなった。ただし、わずか49秒差で渡辺学のチームからエントリーしている若手の柳橋翼が2位につけており、またヤングライダーの保坂修一もFCからクラスチェンジ、FBにあがった開幕戦から、総合3位と気を吐き、若年層の成長の早さを思い知らされる結果となった。

これまで菅原悠花の独壇場だったWAには、今季ハスクバーナから2名の刺客が殴り込み。西翔子はTC85を駆り、菅原とのバトルを制してみごとにデビュー戦を金星で飾る。総合でも11位と、WAのレベルがぐいぐいと底上げされているのは間違いの無いところ。このトップ2名はそもそも全日本モトクロスでもライバル同士の関係だが、地元でエンデューロ由来の菅原聖子が3位、総合も22位に入っており、こちらも大健闘している。

他、FUN Cは西村泰治、FUN Dは瀧強志、WB・WDは川田いづみ・関山海生子のカワサキコンビが優勝。

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COMP GPでは、石戸谷がホールショット、2番手に水上泰佑が飛び出し、オレンジ色の若手が元気な印象。渡辺学は大きく出遅れて最後尾から追い上げる形となった。オープニングラップですぐにトップに立った斉木はぐいぐいと後続を引き離していく。小池田は10番手前後でのスタートになり、前走者をパスすることにとまどって斉木に遅れをとってしまう。小池田が斉木を捕まえたのは2周目、渡辺・鈴木がこれらになんとか追いつくものの、渡辺は小さなミスでトップ2名から追い下がる形。渡辺は、2位に入っておくことがタイトル争いでは大事と判断し、深追いをせず、チャンスが到来すればスパートをかける算段で3番手を走行。鈴木はそもそも4回もの給油を必要としたため、給油タイミングで4番手に甘んじることになった。

実は給油4回だったのは、鈴木だけではなく斉木も同じであった。実戦がためせないワイドオープンの阿蘇では、誰もSXの燃費を知ることがなく、安全策をとってまずは3周目でピットイン。この時点で小池田とはバトルになっており、このあとも小池田が斉木の直後にはりつく展開が続いた。小池田も、斉木のペースの速さにはびっくりしていたものの、同じペースは持たないと判断。前に出しておいて、一気にスパートをかける作戦をとっていた。

後半になって、小池田のプランが実行されトップに立つと、みるみるまに小池田が斉木を突き放していく展開に。斉木もそのスピードには舌を巻き、あきらめかけたと言う。しかし、ドラマは終盤ラスト2周に待っていた。小池田のリアタイヤのムースが破断してしまい、走行不能に。KTMのスタッフがあわてて修復を試みるもおよばず、斉木はこれをチャンスと一気に追い込みをかけ、みごとにデビュー戦を優勝で飾った。2位渡辺との差は2分37秒と申し分ない数字。小池田は復帰に時間がかかり10位、鈴木が繰り上がって総合3位に。

今シーズンをうらなう大事な開幕戦ながら大波乱が勃発。今季のJNCCはいつもより数倍おもしろい!

Written by ジャンキー稲垣

日本のクロスカントリー、エンデューロを追い続けます!